秋は夕暮れ/枕草子/清少納言
秋は夕暮れ/枕草子/清少納言
秋は夕暮れ。
夕日のさして
山の端いと近うなりたるに、
からすの寝どころへ行くとて、
三つ四つ、二つ三つなど
飛び急ぐさへあはれなり。
清少納言の『枕草子』は、日本の古典文学の中でも特に重要な作品の一つであり、平安時代初期に書かれた随筆です。この中から「秋は夕暮れ。」という一節を解説します。
まず、「秋は夕暮れ。」という冒頭の言葉は、秋の夕方の風情や情感を表現しています。秋は季節の変わり目であり、夕暮れの時間も日が短くなり、涼しくなるなど、季節の変化を感じさせます。この言葉には、秋の夕暮れに漂う寂寥感やしみじみとした感情が込められています。
次に、「夕日のさして山の端いと近うなりたるに、」という部分では、夕日が山の端に沈み、山々の輪郭が明るく浮かび上がる情景が描かれています。秋の夕暮れには、夕日の光が柔らかく、山々の輪郭が美しく映えます。この景色は、作者にとって感動的であると同時に、心に深い感銘を与えるものとして描かれています。
そして、「からすの寝どころへ行くとて、」という部分では、夕暮れ時に鳥たちが巣や寝床に帰る様子が描かれています。夕暮れになると、からすたちが群れをなして帰巣する様子が、作者の目に映し出されます。この風景は、自然の移ろいや生命の営みを感じさせ、作者の心に感慨を呼び起こします。
最後に、「三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。」という部分では、からすたちが飛び立つ様子が描写されています。からすたちが集団で飛び立つさまは、秋の夕暮れの風情や命の息吹を感じさせ、作者の心に感嘆と感動をもたらします。この一節からは、作者が自然の美しさと移ろいを詩的に表現し、その美しさに感動していることが伝わってきます。
以上のように、「秋は夕暮れ。」という一節からは、作者が秋の夕暮れ時の自然の美しさや情感に心を奪われている様子が伝わってきます。読者は、作者とともに秋の夕暮れの情景を感じ、自然の美しさに触れることで、心が豊かになることでしょう。