大漁/金子みすゞ

朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮の
大漁だ。

浜はまつりの
ようだけど
海のなかでは
何万の
鰮のとむらい
するだろう。

金子みすゞの詩「大量」は、短いながらも深い意味を持つ作品です。詩の冒頭にある「朝焼小焼だ 大漁だ 大羽鰮の 大漁だ」というフレーズは、朝焼けの景色と大漁の喜びを表現しています。朝焼けの赤や橙色の美しい光景と、漁師たちの豊かな漁獲が喜びをもたらしている様子が描かれています。

詩の中では、浜辺がまるでお祭りのように賑やかである一方で、その奥に広がる海の中では、何万匹もの鰮（いわし）が集まっていることを想像させます。この描写は、海の広大さと多様性を示し、人間の視点と自然の営みとの対比を表現しています。また、漁師たちの努力によって得られた豊かな漁獲が、地域や村の人々に喜びと栄養をもたらしている様子もうかがえます。

この詩は、自然と人間の共存や、人間が自然から恩恵を受けることに対する感謝の念を表現しています。また、豊かな自然の恵みに対する謙虚さや、その一瞬の美しさや喜びを大切にする姿勢も感じられます。

金子みすゞの詩は、繊細でありながら深い愛情と感受性が込められており、身近な自然や日常の中に潜む美しさや喜びを見出すことを教えてくれます。