冬はつとめて/枕草子/清少納言
冬はつとめて/枕草子/清少納言
冬はつとめて。雪の降りたるは、いふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。
清少納言の『枕草子』からのこの一節は、冬の訪れとその風物詩を詠ったものです。解説していきましょう。
まず、「冬はつとめて。」という一節は、冒頭から冬の到来を告げる言葉です。この部分では、冬が厳しくなる季節であることが伝えられています。冬は、季節の中でも寒さが一層厳しく、人々は暖を求めて様々な工夫をしなければなりません。
次に、「雪の降りたるは、いふべきにもあらず。」という部分では、雪が降ることについて述べられています。この部分からは、雪の降り方が予測しにくいことや、雪の神秘的な美しさが伝わってきます。雪は自然現象の一つとして、その降り方や形状は常に多様であり、予測しにくいということが述べられています。
そして、「霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、」という部分では、霜や寒さについて描写されています。冬の訪れとともに、大地や物体に霜が白く降り積もり、空気も冷え切ってきます。これは、冬の寒さが増している様子を表現しています。また、「いと寒きに、」という表現からは、その寒さが特に厳しいことが伝わってきます。
最後に、「火など急ぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。」という部分では、暖を取るための火を焚いたり、炭を使ったりする様子が描かれています。冬の訪れに伴い、人々は火を焚いて暖を取り、炭を使って寒さをしのごうとします。この表現からは、冬の厳しさに対する人々の対策や生活の様子がうかがえます。
以上のように、この一節では冬の訪れとその風物詩が詩的に表現されています。冬の寒さや雪、霜などの自然現象が美しく描写され、また人々の暖を取るための工夫や生活の様子が伝えられています。読者は、作者とともに冬の訪れを感じ、その美しさや厳しさを垣間見ることで、冬の季節をより深く理解することができるでしょう。